電験三種とは、正式名称「第三種電気主任技術者試験」の略です。上位資格には、第二種電気主任技術者試験、第一種電気主任技術者試験があります。「3種」と書いたり「三種」と書いたりしますが、どちらも同じ資格です。
電気主任技術者という資格は、発電所や変電所の電力会社の施設や、工場や商業ビルなどの大きな電力を必要とする企業の電気施設の工事・維持・運用に関する保安監督をするために必要です。そのなかでも、電圧5万ボルト未満の電気工作物は「電験三種」の資格で対応が可能となっています。
施設の規模によって、第三種~第一種の振り分けがされているということです。施設の数が多いので「電圧5万ボルト未満」の維持・運用に関する保安監督の需要が高まっています。よって、「電験三種」の資格取得者が求められる事が多くなっています。
大きな電気設備の運用や維持などの管理は、電気主任技術者の資格取得者のみがおこなえる特別な資格ということですね。
理論 90分 18問
機械 90分 18問
電力 90分 17問
法規 65分 13問
この4科目から構成されています。
ひとつの試験が4つの分野に分かれているということです。それぞれの科目で合格点を取らなければなりません。4つの試験を受けて、全部合格したらオッケー!というようなイメージでも良いでしょう。
得意な分野で得点をして、不得意な分野は程ほどに…というわけにはいかないのが電験の特徴です。ただし、電験には「科目合格留保制度」があります。
ようは科目合格をした年を合わせて「3年以内に4科目を合格」すれば良いということです。
2022年より年2回実施。
筆記(ペーパー)による一斉試験とコンピュータによるCBT試験(決められた期間内に受験)の2種類の受験方法がある。
★上期試験
受験案内配布 5月上旬~
受験申込期間 5月中旬~6月上旬
試験日 CBT試験 7月 筆記試験 8月下旬の日曜日
★下期試験
受験案内配布 11月上旬~
受験申込期間 11月中旬~12月上旬頃
試験日 CBT試験 2月 筆記試験 3月下旬の日曜日
★上期・下期試験 共通事項
試験会場 全国47都道府県
合格発表 未定
受験資格 特にありません
合格率:約8~17% (年によって変動)
★注意事項
・上期、下期 両方の受験可能
・同一期間内の筆記試験とCBTの両方を受験することはできない。
【2024(令和6)年度 上期試験日程】 | |
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受験申込受付 |
令和6年5月20日(月)10:00〜6月6日(木)17:00 |
CBT方式 | 令和6年7月4日(木)〜7月28日(日) |
筆記方式 | 令和6年8月18日(日) |
【2024(令和6)年度 下期試験日程】 | |
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受験申込受付 |
令和6年11月11日(月)10:00〜11月28日(木)17:00 |
CBT方式 | 令和7年2月6日(木)〜3月2日(日) |
筆記方式 | 令和7年3月23日(日) |
※合格発表は筆記試験のおよそ1か月後
年度 | 申込者(人) | 受験者(人) | 合格率 |
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2019年 | 59234 | 41543 | 9.3% |
2020年 | 55408 | 39010 | 9.8% |
2021年 | 53685 | 37765 | 11.5% |
2022年上期 | 45695 | 33786 | 8.3% |
2022年下期 | 40234 | 28785 | 15.7% |
2023年上期 | 36978 | 28168 | 16.6% |
2023年下期 | 33832 | 24567 | 21.2% |
近年。合格率が上昇傾向にはありますが、これは試験システム(CBTの導入や年2回実施)による過渡期にあたる可能性が高いと思われます。
また、電気の基礎知識、数学が必須になる問題範囲ですので、電気科など学習経験がある方や、実務で常に電気知識に触れていらっしゃる方以外は独学はきびいしかもしれません。
基礎知識をしっかりと身につけることが重要です。
また近年出題が増えている過去問(10年以上前のものも出題されている)演習をしっかり行うことが必要になります。
目安学習時間:1000時間
合格率が10%前後の国家資格は、個人差はあるものの一般的に「合格のためには1000時間」の学習が必要・・・といわれる資格です。
近年の合格率の上昇は、過渡期にあたる可能性が高いと思われますが敷居が下がったのは事実です。
このチャンスに取得を目指してください。!