電気設備は、私たちの生活に欠かせない存在です。しかし、誤った運用は火災や停電といった大きな事故につながる可能性も。電験二種取得者は、専門知識と経験に基づいて、電気設備を安全に管理し、社会全体の安定に貢献します。
電験(電気主任技術者試験)は、第三種から第一種まで分類される国家資格です。その中でも電験二種は、主に17万ボルト未満の発電所や変電所、工場、ビルなどに設置された電気設備の保守・監督を行うために必要な資格です。また、電気設備の保安監督は、電気主任技術者にのみ認められた「独占業務」となっています。
電験二種は、電気業界でキャリアアップを目指す方にとって、欠かせない国家資格です。発電所や変電所、工場など、幅広い分野で活躍できるチャンスが広がります。
電験二種の資格を取得すると、資格手当や昇進のチャンスが広がり、電気主任技術者として選任されやすくなります。職場でも高い評価を受け、一目置かれる存在となるでしょう。また、ビルメンテナンスや発電事業では電気主任技術者の確保が不可欠であり、その需要は非常に高いです。そのため、定年後もその資格を活かして活躍する方が多く見られます。これらの業界への就職・転職においても、電験二種は強力な武器となります。
太陽光発電が再生可能エネルギーとして広く普及しているのは、電気が現代社会に欠かせない存在だからです。このため、電気設備の維持・運用・管理を担う電気主任技術者は、今後も社会に大きく貢献できる職業と言えるでしょう。
電気主任技術者は、電気保安の責任者として設備の異常を自ら判断し、対応策を決定します。この保安監督業務は、電気主任技術者にしか許されていない独占業務です。
また、太陽光発電など再生可能エネルギーに関わる仕事は、環境問題の解決にも貢献し、地域社会にとっても価値のある仕事です。
電験二種を取得し、実務経験を積むことで、ビルオーナーから信頼される電気のプロフェッショナルとして活躍できます。独立開業も可能です。
▶ビルオーナーの頼れるパートナーとして、電気設備に関する相談に乗り、最適なソリューションを提供します。
▶自分の専門性を活かして、安定した収入を得ることができます。
※全国10都道府県で試験実施。
試験は一次・二次試験に合格する必要があります。一次試験の受験資格は特に必要ありません。
電験二種試験の合格基準は、毎年発表される試験結果によって異なります。
▶合格の目安は、各科目60点以上ですが、試験が難しい場合は、合格点が下がることもあります。
電験二種1次試験の合格率は、毎年変動しますが、全体で見ると30%を切る年が多く、難関試験というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし、電験二種には、科目別合格という制度があることをご存知ですか?
科目別合格とは? 1次試験の4科目それぞれで合格ラインを超えれば、その科目の合格が認められる制度です。 つまり、1年で全科目合格できなくても、科目合格を積み重ねることで、最終的に合格に近づけることができます。
科目別合格率は、1次試験全体の合格率の約2倍、50%前後と安定しています。
これは、焦らず着実に学習を進めることで、合格にたどり着ける可能性が高いことを意味します。
年度 | 合格率 | 科目合格率 |
---|---|---|
令和5年度 | 24.5% | 54.5% |
令和4年度 | 35.2% | 49.2% |
令和3年度 | 25.7% | 45.8% |
令和2年度 | 27.2% | 48.9% |
令和元年度 | 23.6% | 49.0% |
年度 | 合格率 |
---|---|
令和5年度 | 17.7% |
令和4年度 | 24.02% |
令和3年度 | 17.27% |
令和2年度 | 27.9% |
令和元年度 | 22.8% |
試験の結果は科目別に合否が決まり、4科目すべてに合格すれば第二種電気主任技術者試験合格となりますが、一部の科目だけ合格した場合には科目合格となって、翌年度及び翌々年度の試験では申請によりその科目の試験が免除されます。
つまり、3年間で4科目の試験に合格すれば二次試験の受験資格が得られます。
電験二種受験を目指す方の多くは電験三種を合格、或いは学習したことがある方だと思います。以下の点で電験三種学習経験者の方は電験二種受験へのハードルは低いと思われます。